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Channel: 蛾色灯。
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【0083】ユミモンシャチホコEllida arcuata

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春のシャチホコガである。大体GW辺りでよく目にする種だ。

名前の由来ともなっている前翅先端の弓状紋は【タカオキリガ】を彷彿とさせ、

一瞬「おおっ?タカオ!?」とぬか喜びさせるがすぐにこのユミモンシャチホコであると気がつく。

S
20130503 埼玉県秩父市中津川<標高690m>

♂は触角が櫛歯状。♀は糸状らしいが未見だ。

----2013/06/04加筆-----
ライトトラップをしたらメスが飛来した。♂より一回り大きい。
色が薄いのは個体変異なのだろうか?
S_2
20130603 埼玉県秩父市三国峠<標高1700m>


食草はケヤキやハルニレとなっており、都市部にもいそうな気がするが見たことはない。


memo.....
シャチホコガ科 ウチキシャチホコ亜科に分類されています。
埼玉ではGW付近によくその姿を目にします。
僕は秩父市でしか見たことありません。


【0084】エゾヨツメAglia japonica

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【イボタガ】 【オオシモフリスズメ】とともに 春の三大蛾 と称される種で、一年に一度は会っておきたい種のひとつである。

オレンジの翅色に後翅の眼状紋が青く輝きとても美しい蛾だ。 


しかし、最初に見つけるときはその翅を見せてくれていないことが多い。

翅を閉じて止まってしまう蛾なのだ。

Sp6034874
20120602 栃木県日光市中禅寺湖畔<標高1280m>

しつこく触っていると翅をバタン・・・バタン・・・として動き出す。

落ち着いてきたらようやくその姿をゆっくり鑑賞できるのだ。

120505
20120505 埼玉県秩父市豆焼橋付近<標高980m>

触角が羽毛状になっているのは♂。

美しい。新鮮な♂はオレンジも鮮やかでとにかく美しいの一言である。

この蒼い眼状紋は構造色なのだが、普通に真上から撮影すると黒くなってしまい魅力が半減してしまう。

蛾の頭の方から光を当てると蒼く撮れるようだ。

130527
20130527 長野県軽井沢町<標高1400m>

♀は色が薄く、はるかに大型で遠くに止まっているのを見てもひと目でわかる。

僕は♀と相性が悪いのかこの個体だけしか見たことがない。

しかしその大きさは明らかに今まで見たエゾヨツメとは違い大型であったため、♀と確信が持てた。

普段ならスルーである高いところのエゾヨツメを5mの竿をいっぱいに伸ばして捕獲したのだ。


岐阜や長野には極端に黒い粒状紋が多いカキシブエゾヨツメと呼ばれるタイプがいるらしい。

いつの日かそのエゾヨツメも見てみたいものだ。


以前は名義タイプ
北海道亜種  Aglia japonica japonica と

本州以南亜種 Aglia japonica microtau に分けられていたが、

現在は明瞭な区別ができないということでミクロタウはシノニムとされ、エゾヨツメ Aglia japonica に統一されたようだ。



memo.....
ヤママユガ科 エゾヨツメ亜科に分類されています。
埼玉では広範囲に記録されていますが、最近都市部での記録がないようです。
埼玉県のRDBで 地帯別危惧種 に指定されています。

【0085】ヒサゴスズメMimas christophi

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山地でよく見かけるスズメガの仲間だ。だいたい5月から7月にかけて見られる。

ベースとなる斑紋はあるが、個体変異が多く、ほとんど消失する個体もあるようだ。

翅色もくすんだ色から鮮やかなワイン色まであり、綺麗な個体はしばし見とれてしまう。

外縁部もなめらかな個体、ギザギザが強い個体と様々だ。

個体それぞれに違った顔があるような印象を受ける種である。

S_2
20130527 群馬県嬬恋村大字鎌原<標高1260m>

おそらく♂であろう。♀はひとまわり大きいようだが、見たことはない(と思う)
------------20130604追記---------
ライトトラップをしたら♀が飛来した。
Sp6044379
20130603 埼玉県秩父市三国峠<1700m>
 
前翅がふっくらしてる感がある。
触角も♂のように微毛が生えてることもなく完全な糸状のようだ。
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ヒサゴスズメを見るようになると出てくる蛾の量も格段に増えてくる。

いよいよシーズン本格化、を感じさせるスズメガだ。


memo.....
スズメガ科 ウチスズメ亜科に分類されています。
埼玉での記録も西部で多数あります。


【0086】セブトエダシャク本州以南亜種Cusiala stipitaria kariuzawensis

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スルーしがちな地味エダシャクである。ちょっと山の方へ行くと良く見かける蛾だ。

地味エダの中でも中~大型の部類に入るのではないだろうか。

内横線と外横線が離れており、意外とすぐ辿り着ける種だ。

【ヨモギエダシャク】に似ている。が、見分けはつけやすい。

各横線がギザギザしているヨモギと比べるとセブトはかなりなだらかで起伏が激しい。

一見して横線が煩く見えるのがヨモギである。


但し個体変異が激しいので、色に惑わされないことが重要である。

Ssebuto
20130527 長野県軽井沢町大字長倉<標高1300m>

白いタイプ。見栄えがする美しいタイプだ。

この種は♂でも触角が目立たない。触角が目立っていたら間違いなくセブトではないのだ。

Ssebto
20130527 群馬県嬬恋村干俣万座温泉<標高1800m>

こちらは黒いタイプ。

後翅に○の白紋が出てくることがある。

「おっ見たことない地味シャク?」 と思っても大体見たことある種の個体変異だ。

少しだけ、期待をさせてくれる蛾でもある。



memo.....
シャクガ科 エダシャク亜科に分類されています。
広食性で埼玉でもよく目にします。

【0087】シロヘリキリガOrthosia limbata

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春に出てくるオルトシア属のキリガである。

平地から山地まで普遍的に生息するキリガであるが、僕との相性が良くない。

どうもオルトシアには相性が悪いのが多い気がする。


一見【ゴマフキリガ】に似ているが、茶褐色のゴマフに対しシロヘリは完全な白黒の蛾である。

それを知っていれば見分けるのに問題はないだろう。

食餌もサクラ、クヌギコナラとどこにでもあるような樹木である。


S
201300318 埼玉県秩父市大滝<標高860m>

結局僕はこの個体だけしか撮影したことがない。

オルトシアが寄り付かないフェロモンでも出ているのだろうか・・・



memo.....
ヤガ科 ヨトウガ亜科に分類されています。
3月ころから出始めるようです。

【0088】オナガミズアオActias gnoma gnoma

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【オオミズアオ本州以南亜種】によく似ている種だ。

世間ではオオミズアオのパチモンみたいな扱いを受けているが、

僕はこのオナガミズアオの方により美しさを感じている。

一言で言えば「上品なオオミズアオ」である。

Sp9021985
20080902 埼玉県さいたま市桜区<標高10m>
夏型の♂である。外横線が強く出ているのが夏型の特徴だ。

オオミズアオは夏型になると黄色味を帯びてきて若干汚らしく見えることが多い。

しかしオナガは鮮やかな蒼翠色を保ったままであることが多い。


Sp9022013
20080902 埼玉県さいたま市桜区<標高10m>

同所で得られた♀。もちろん夏型である。

♀はオナガの特徴があまり出ていないので同定が難しいが、この個体はひと目でオナガとわかった。

しかし何故上品なのか。

僕は前縁部の紫色が半分白くなっているのが上品さを醸し出している一因ではないかと思う。

もちろん尾が長くスラっとして見えるのもあるだろう。

Sp603431800
20130603 埼玉県秩父市三国峠<1700m>

春型の♂である。

オナガは何故か透けてることが多い。鱗粉のノリが悪いのだろうか。

しかしこの透け透け具合がまた色っぽさと幽玄さを醸しだすのだ。


よく質問される事項として「オオミズアオとオナガミズアオの違い」が挙げられる。

ということでわかりやすいように解説図を作ってみた。

Sp6034343

春型で作ったので、外横線の違いが記載されていないがなんとなくお分かりだろうか?

もちろん各項目に当てはまらない個体もあり、総合的な判断が必要だ。

以前は
オナガミズアオ本州・九州亜種 Actias gnoma gnoma
オナガミズアオ北海道亜種 Actias gnoma mandschurica
オナガミズアオ伊豆諸島亜種 Actias gnoma miyatai

というような具合で3つの亜種に分かれていた。
しかし最新の図鑑では北海道亜種を原名亜種(本州・九州亜種)に含める という記述があった。
伊豆諸島亜種miyataiはそのまま残るようだが、mandschuricaは日本から消える事となった。

しかし、その図鑑には新しい本州・九州亜種の亜種和名が表記されていない。
言うなれば「本土亜種」であろうか。今回は亜種和名を省かせていただいた。



memo.....
ヤママユガ科 ヤママユガ亜科に分類されています。
埼玉では低地の記録が少なく、地帯別危惧種に指定されています。

【0089】シロジマシャチホコPheosia rimosa fusiformis

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キングオブスタイリッシュ シロジマシャチホコ。

英語的におかしいが、僕の中でそう呼んでるとても美しいシャチホコガだ。

幼少の頃に図鑑で見てから、僕の憧れの蛾であった。


得てして僕は白黒の蛾が好きな傾向があるのだが、この種は群を抜いて美しいと感じる。

アクセント的に入った茶色がまた良いのだ。


シラカンバなどのカンバ類を食草としており、関東近辺ではかなり標高を上げないと見られない蛾である。

食草から1000m付近ならいてもよさそうだが、僕が見る限りは1500m付近にならないと見ていない。

感覚的には亜高山の蛾である。
S
20100719 群馬県吾妻郡草津町大字草津白根国有林<標高2000m>
記念すべき初遭遇のシロジマシャチホコ♂である。

あまりにも興奮して「シッ・・・シロシロ・・」とどもってしまった覚えがある。

♂の触角は櫛毛状だ。


Sp6034285
20130603 埼玉県秩父市三国峠<1700m>
♀は触角が目立たなくなってくる。

ちなみに埼玉ではここでしか記録がない。 

普段使いの道路だと標高1000mがやっとの埼玉県では仕方ないことなのかもしれない。

以前はPheosia fusiformis という独立種であったが、近年北米のrimosaと同種とされfusiformisは亜種となった。

memo.....
シャチホコガ科 ウチキシャチホコ亜科に分類されています。
埼玉では県境の三国峠でのみ記録があります。
5~8月の蛾です。

【0090】ミヤマゴマキリガFeralia sauberi

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カラマツに依存した種である。

一見【ゴマケンモン】に似ているが、斑紋の違いの他にも色合いの違いなどから

さほど同定に困る種ではないように思う。

カラマツ依存ということで関東近辺ではある程度の標高がないと見られない種だ。

5月下旬から見ることが多いように思うが、図鑑では4月から出現と記載がある。僕が見ていないだけだろう。

緑地に白と黒の模様が美しく、見かけると写真を撮りたくなる蛾だ。

Sp60342911
20130603 埼玉県秩父市三国峠<標高1700m>
触角が櫛毛状の♂。
埼玉の記録はここともう一箇所。もう一箇所はカラマツがあまり生えてなかったんだが・・・ 飛んできた。


Sp603485233
20120602 群馬県片品村丸沼<標高1400m>

触角が糸状の♀。
ミヤマゴマキリガは♀もよく飛来してる印象がある。

以前は
Sugi(1968)によりFeralia montana という独立種として扱われていたが
Kononenko(1984)により大陸産の Feralia sauberi と同種とされ日本産の montana は日本亜種となった。
さらに上信山地のものは黒化が激しくFeralia sauberi pernigra という亜種として扱われていた。

しかし現在はRonkay&Ronkay(1995)によって二種はタイプ産地のsauberiと同種として扱い、上信山地の黒化は個体群の差として扱われるようになっている。※日本産蛾類標準図鑑より抜粋

標本画像
S


memo.....
ヤガ科 モクメキリガ亜科に分類されています。
埼玉では6月かな。ここともう一箇所でしか見てません。



【0091】タカムクカレハ本州亜種Cosmotriche lobulina takamukuana

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マツやモミといった針葉樹食いのカレハガである。

僕自身は標高の高い所でしか見たことがないので、亜高山の蛾だと思っていたが

記録を見ると600mくらいでも採れているようだ。

確かに食樹的にはいても全くおかしくない。僕の探し方が悪いのだろう。


感じ的には【シーベルスシャチホコ】を寸詰まりにしてモフらせた印象である。

6~7月に出てくる初夏の蛾だ。

Stakamuku
20130603 埼玉県秩父市三国峠<標高1700m>

埼玉での記録は少ないがここではたくさん飛んできた。

♀は灯りにこないようで極めてまれ、と図鑑に記載がある。



memo.....
カレハガ科 ホシカレハ亜科に分類されています。
北海道産は亜種pinivoraとされます。


ちなみに日本産標準蛾類図鑑で本州亜種は
C. lobulina takamukui (Matsumura,1921)となっていますが、他にそういった記述を見かけません。
C. lobulina takamukuana も(Matsumura,1921)であるため、その後変更がされたとは考えづらく誤記の可能性も考えられます。
出典がハッキリするまでここでは従来のtakamukuana を使用します。


補足すると学名で~anaとなる場合形容詞となるので献名が多いようです。
~i の場合は所有者の意味合いが強いようです。
ちなみにタカムクシャチホコはTakadonta takamukui Matsumura, 1920
同じ記載者で takamukui ですねえ・・


亜種だから タイプ タカムク ってことで形容詞takamukuanaになってたのかな・・・?
でも同じ記載者のオキナワルリチラシ本土亜種は Eterusia aedea sugitanii
こっちはsugitanii・・・ 

【EXTRA-02】蛾類展のお知らせ。

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このたび、僕が所属している埼玉昆虫談話会と越生町が管理する
おごせ昆虫と自然の館にて





驚異の蛾類展 ~疎まれし者達の素顔(仮)

という展示をやらせていただくことになりました。Sposter


この写真を撮りに軽井沢で3時間に渡る格闘をしてきました。

低圧縮版ですがなかなか良い出来かと思ってます。


もうひとつ白いバージョンも。

Sposter2


蛾の偏見をなくすために細々とネットで活動してきた僕にとって初めてのリアル展示です。

内容はもちろん「蛾に対する偏見をなくしたい」をメインにした展示となっています。

一部屋の半分程度ですが、写真を100枚ほど展示させてもらっています。

他の談話会員さんからたくさんの標本展示のご協力も頂き、見応えある内容になっていると思います。


詳細情報--------------

日時/平成25年7月20日(土)から当分の間
場所/おごせ昆虫と自然の館
j開館時間/土日祝のみ開館 10:00~16:00


アクセス/東武越生線 越生駅より 徒歩50分(3.5km)
     東武越生線 越生駅より 「黒山行」バス「梅園小学校入口」下車 ¥230- (1時間に1本程度)
 

越生駅発 バス時刻(3~10月の土休日)
  7:20,  8:18,  8:53,  9:29,
 10:04, 10:57, 11:42, 12:44,
 13:14, 13:57, 14:49, 15:27

越生町立梅園小学校 裏 (旧 梅園保育園)

ちなみに僕は殆どいません>< (初日もいません)
26、27日には行く予定ですが・・・

【0092】ヤンコウスキーキリガXanthocosmia jankowskii

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夏キリガ(主に6~8月に羽化するキリガを総称した僕の造語)の王様と言うべき種である。

独特の模様は蛾屋なら誰しも一度は憧れるのではないだろうか。

極端に生息地が限られており、僕の知る生息地までは車で4時間はかかる。

時間と経費を考えると、そう何度もリベンジできない蛾だ。

といいつつ、7月末に失敗しながらも2度めのチャレンジを敢行。

その甲斐あって探し始めて4年目の今年、ようやくその姿を拝むことができた。


S
20130805 長野県松本市安曇<標高1360m>

♂と思う。♀は後翅に黄色の部分が多いので広げるとすぐ見分けがつく。


ヤンコウスキーキリガは存在を知ってからどうしても逢いたかった蛾のひとつ。

最初に飛んできた時の感動は言葉に表せない。


と同時に見たい種をひとつ、またひとつ消化していくと今後の楽しみが失われていく気がした。

僕は何時まで蛾を追い続けるのだろう?

そんな事を考えさせてくれたヤンコウスキーキリガだった。



memo.....
ヤガ科 キリガ亜科に分類されています。
分布は北海道から九州まで記録されていますが、日本海側に偏っています。
食樹はシナノキが記録されています。

埼玉での記録はありません。

【0093】マダラキボシキリガDimorphicosmia variegata

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夏キリガの中でも一際目立つ色彩をした蛾だ。

しかし、♂と♀でかなり斑紋に違いがあり、♂はあまり目立たない。

♀は白を基調とした美しい蛾である。


実際に会うとキリガにしては小さめの蛾なのでイメージと一致しなかった。

シナノキを食樹としているが、シナノキがあればどこでもいる、というわけでもない。

S_2
20130805 長野県松本市安曇<標高1360m>
♂は黒を基調とした地味目の蛾だ。


同じ食樹の ヤンコウスキーキリガを採集に行った時にはたくさん飛んでくる。

美しい種だが、ヤンコウスキーが本命かつ大量飛来するのでハズレとして見られてしまう哀しい蛾である。


S_3
20130723 長野県松本市安曇<標高1600m>
♀は本当に美しい。もう少し大きければ人気もあがっただろうなあと思う。

ヤンコウスキーよりは生息地が限られていないが、あまり見ることのない蛾だ。


memo.....
ヤガ科 キリガ亜科に分類されています。
埼玉では見たことありません。

【0094】アルプスヤガXestia speciosa

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高山蛾、と呼ばれる一群がいる。本州では標高2000m以上にのみ生息する蛾の総称である。


いくら現代の道路網が発達していようとも標高2000mを超える道路というのは数少ない。

そしてマイカー規制により、一般人が通れる道路はより少なくなっていく。

高山蛾に会うのは至難の業である。


そんな数少ないポイントでも生息している場所とは限らないのがまた困りものだ。

だからこそ高山蛾にはロマンを感じざるを得ないのであるが。

S
20130727 山梨県山梨市<標高2300m>

そんな難関を乗り越えて出会えたアルプスヤガ。

黒と白のメリハリの効いた模様はなかなかに美しい。

これが乗鞍産になると茶色味を帯びるという。そちらも是非見てみたいものだ。

至難の業、とは書いたが車で行ける場所で出会えるこの蛾は高山蛾の中ではビギナー向けであろう。

僕もいつかは登山でしか出会えない蛾にチャレンジするのだろうか・・・


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ヤガ科 モンヤガ亜科に分類されています。
7月の終わりから8月にかけて見られます。
埼玉でも記録があります。


【0095】チャマダラエダシャクAmblychia insueta

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夏に見られる大型のシャクガである。

大型なことに加え、黄色の各横線と黒い斑模様が特徴的でひと目でそれとわかるエダシャクだ。

灯りに誘引されることも多いが、昼間に飛んでいる姿もよく見かける。

吸蜜もしているので昼行性なのだろうか。

S
20130805長野県松本市安曇奈川渡<標高995m>

橋の灯りに飛んできたオス。

オスは触角が櫛歯状でよく目立つ。メスの触角は単純な糸状らしい。


memo.....
シャクガ科 エダシャク亜科に分類されています。
埼玉では見たことがありませんが、西部で記録があります。

【0096】ウスムラサキヨトウEucarta virgo

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ヨモギを食草とし、草原に生息する蛾だ。生息域が本州中部以北となっているので北方系の蛾であろう。

以前はヨトウガ亜科に含まれていたが、標準図鑑で新設されたヒメヨトウ亜科に分類されている。

静止状態では内横線と外横線が翅底部分でくっついており、X紋を形成している。

淡い色彩も美しく印象に残る蛾である。


Susumura
20130806 静岡県富士宮市根原<標高920m>

似た名前の【ムラサキヨトウ】や【ヒメムラサキヨトウ】とは全く違う蛾である。


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ヤガ科 ヒメヨトウ亜科に分類されています。
埼玉での記録はありません。


【0097】ダイセンセダカモクメCucullia mandschuriae

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日本で数箇所しか記録がなく、非常に局所的な分布をする蛾である。

ユウガギクを食草としており、他のセダカモクメ同様草原性の蛾だ。

ダイセンとは国内で最初に発見された鳥取県大山にちなんでつけられている。


S_2
20130806 静岡県富士宮市根原<標高920m>

前翅の白い条紋が目立ち、セダカモクメの中では異色な存在だ。

8~9月に記録がある夏の蛾である。


memo.....
ヤガ科 セダカモクメ亜科に分類されています。
埼玉での記録はありません。

【0098】モンキヤガDiarsia dewitzi

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深い紫色に薄い黄色の紋をあしらった美しいモンヤガである。

標高をあげるとよく見ることができる種であるが、僕はこの蛾が大好きである。

新鮮な個体を見るとすぐ写真を撮ってしまう。蛾の美しさが濃縮されていると思っている種のひとつだ。


僕自身は標高1000m以上でしか見たことがないが、もう少し低くても記録があるようだ。

S
20130725 山梨県山梨市<標高2300m>

標高高めのライトトラップではおなじみの種だが、幼虫の食草がわかっていないようだ。


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ヤガ科 モンヤガ亜科に分類されています。
埼玉でも秩父地方で記録があります。

【0099】イブキスズメHyles gallii

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非常に美しい後翅を持つスズメガである。スズメガファンなら一度は憧れる種ではないだろうか。

中々その姿を見ることは叶わず、「珍品のスズメガ」 と呼ばれている。

生息地では昼間、ホバリングをしながら吸蜜しているのを見ることができるが、灯りには滅多に飛んでこない。

夜の灯火採集がメインの僕達には縁が遠い存在であるが、慣れない昼行もこの蛾のためなら苦ではないのだ。


S
20130726 長野県<標高1830m>

ホバリング個体を撮影した。

というか静止している個体を見たことがないのだ。

ここは採集禁止地域故に網を振ることもできないのだ。

幼虫の食草はヤナギラン、カワラマツバ。

高原のヤナギランを観察するととても目立つ黒いイモムシがついているのを見ることができる。

S_2
20130724長野県伊那市<標高1790m>

見つけるとビックリするくらいの大きさだ。


食草から主に高原に生息していると思っているが、突発的に低標高地で記録がある。

人が持ち込んだヤナギランやカワラマツバについてきているのか、長距離の飛行を行っているのか。

いろいろ推測はできるが確たる証拠がないので謎のままである。


memo.....
スズメガ科 ホウジャク亜科に分類されています。
埼玉での記録はありません。

【0100】ヒメモクメヨトウActinotia polyodon

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非常に美しいヨトウガ。個人的にはヨトウ界随一の美しさだと思っている。

【コモクメヨトウ】に似ているが、ヒメモクメヨトウの方が斑紋にメリハリがあってやや黒っぽい印象を受ける。

前縁部からの白い部分がヒメモクメヨトウは格段に狭い。


コモクメヨトウは低地にも生息を確認しているが、ヒメモクメヨトウは標高が高めの(1500m~)ところでしか確認していない。

あくまで僕個人の観察例なので実際は低地にも生息しているのかもしれないが・・・

幼虫の食草はオトギリソウが記録されている。

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20130714 群馬県吾妻郡草津町大字草津白根国有林<標高2140m>

日本産蛾類標準図鑑によると、オスの触角は繊毛状と記述がある。

するとこの個体はメスであろうか?

しかし今まで撮影した個体を見ても繊毛状触角の個体はなかった。

オスの撮影を今後の課題としたい。



memo.....
ヤガ科 キリガ亜科に分類されています。
出現は5月、7~9月の2化。埼玉では高標高地での記録があります。

【0101】ヤママユ本州以南屋久島以北亜種Antheraea yamamai yamamai

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夏、お盆前後から目にすることのできる大型の蛾である。

「ガ」といえばこの種を連想する人が多く、日本を代表する蛾のひとつではないだろうか。

繭から穫れる糸はは「天蚕」と称され、普通の絹よりも高級品として取引されている。

成虫は灯火によく飛来するため、山間部のキャンプ場やトイレ等で人々にトラウマを植え付けている。


しかし少し見方を変えると、和風で落ち着いた色彩を持った「蛾らしい蛾」の魅力に惹き込まれるはずだ。

Sp9091291
20120908 群馬県片品村丸沼<標高1400m>

オスは非常に発達した触角を持つ。

メスに比べ翅頂が尖っている印象だ。


Sp8241031
20120823 埼玉県秩父市豆焼橋付近<標高1065m>

メスは触角が細く、翅も丸みを帯びた印象。

ヤママユは色彩変異が多く、焦茶や赤茶、黄色の個体まで幅広く楽しめる。

オスの顔は発達した触角が愛嬌を醸し出し、人気も高い。

Syaaaa

成虫に口はなく、羽化後一週間も経たずに死んでしまう。


嫌われ者になりがちな種だが、少し蛾に興味を持った人たちにはたちまち人気種となる。

好き と 嫌い はそんなに遠い位置にあるわけではなく、
少しのきっかけで変わるものだということを教えてくれる蛾だ。


以前は 

北海道亜種   A.yamamai ussuriensis
本州以南屋久島以北亜種 A. yamamai yamamai
奄美以南亜種 A. yamamai yoshimotoi

と分類されていたが、日本産蛾類標準図鑑では北海道亜種を「一応本土域の名義タイプ亜種に含めておく」との記述がある。一応 という書き方からまだ確定ではないと思われる。
ここではその記述を仮に踏襲し、yamamai yamamai の和名を「本州以南屋久島以北亜種」として表記するものとする。


memo.....
ヤママユガ科 ヤママユガ亜科に分類されています。
埼玉では地帯別危惧種に指定されています。

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